久々に小説です。かなり目的からズレたブログになってしまった⋯
こんにちはー、チバPです。
好きなようにやっていると、いつの間にか本筋がどこだかサッパリ見えなくなっちゃうこと、ありますよねー。あれ?チバPだけかな?まあまあ。
と、いうわけで、このブログの目的!小説を載せていきたいなーと。
チバP的には気に入っている作品?なので、チラリと見ていってくださいまし。
例のごとく、見直しなんかすっ飛ばしー!なので、誤字脱字があってもサラ―っと流してね!ちなみに、連載です。
「歴史変えちまいたい」
僕は決して充実などはしていなかった。毎日の暮らしにこれっぽっちも満足なんてしていなかった。僕は知っている。そう、知っているんだ。どうして自分がこうも惨めになっているのかを。スズメがチュンチョコ鳴く声が聞こえてくる。もう朝だというのに、僕はいったい何をしている!あの苦しみはなんだったんだ?あの血へどを吐くような努力はどこいった?そしてつかんだ栄光!僕は就職出来たんだ!希望を胸に、僕は社会人として歩き始めたところだった!…歩いているはずの僕は今、何処にいる?部屋だ…。実家の自分の部屋の布団の中で寝腐っている。そう、まさに腐れかけている。栄光をつかんだ僕がどうして腐るんだ!なぜだ、なぜなんだー!
「朝ごはんよー!降りてきなさーい!」
僕は静かに布団から抜け出すと、丁寧に布団をたたみ、押入れにしまった。そしてやはり静かにパジャマを脱ぎ、ちゃんとした服を着た。
「卵焼けたから、降りてきなさーい!」
僕は静かに階段を降り、トイレや洗顔などを済ませて食卓についた。
「おはようございます。」
「はい、おはようございます。今日の課題は分かってるわね?散歩。1時間のお散歩。ごはんを食べたら歩いてきなさい。朝の空気を吸うとさっぱりするから。」
僕は静かに頷くと、みそ汁を飲んだ。
夏の終わりの香りがした。玄関を出た僕は自然と深呼吸をしていた。やはり、外の空気は気持ちが良い。日光を浴びればきっと、僕は腐りきらずにすむことだろう。
都会でもなく、かといって田舎でもない僕の産まれた町は、なぜだか公園の数が半端なく多い。そのためだろうか、昼間から散歩にいそしむ人々が多く見られ、僕は特段目立つことも無かった。ふと、キンモクセイの香りがどこからともなく漂ってきた。僕は静かに香りを楽しみ、キンモクセイの木のある公園を探し歩いた。オレンジ色の小さな花をたっぷりと咲かせたキンモクセイが風に揺れ、自身から発せられる香りを町中に漂わせている。僕はその木の下にひっそりと立っていた。
「ねえ君さあ、ギンモクセイって知ってる?」
いつの間にか隣に立っていた、若い男が急に僕に話しかけてきた。なぜかニヤついている。
そのとき僕は、静かに、仕事を上手くこなせなかった自分、そしてついには辞めてしまった自分の愚かさを嘆いていたところであったため、上手く返事が出来なかった。
「やっぱり知らないだろう?キンモクセイが有名だもんなぁ〜。ギンモクセイもなかなかやるんだけど、みんなキンモクセイばっかりありがたがっちゃってね。ところで君、今無職?」
僕は静かにその男を観察した。チャラけた服装もニヤニヤした顔も何もかもが怪しい。
「いやぁ〜、近ごろの人材不足はあれだね、日本を滅ぼすね、いやマジで。てなわけで、君、今無職?」
僕は無職と二回も言われたことによるダメージに静かに打ちのめされていた。そしてゆっくりと頷いた。僕は哀しきかな、嘘をつけない男であった。
「やっぱり!いやー、君のようなベストマッチな人材がコロッと転がってるなんてさ、感謝しか無いね。おほん。君、今からうちのところで働きなさい!大丈夫大丈夫、とっても良いことしてるんでうち。さあ、善は急がなければ、はい、行こ!」
男は僕の腕をかなり強くむんずとつかみ、歩き始めた。非力な僕は男にズルズルと、なかば引きずられるように歩いた。腕が痛い。ほんと痛い。
「あ、あのぅ。腕が痛いです。」
「ああ、ごめんごめん!ちょっと興奮しちゃった!数々の修羅場をくぐり抜けて来た俺ともあろう者が!ごめんごめん!めんごめんご!さあ、こっちだ、ついて来たまえ!」
男はさっそうと歩き出した。僕は男の後をつい、追っていた。追いたくなる背中だったのだから仕方がない。不安や迷いのいっさい無い、自信に溢れたその背中に僕はすがりつきたかった。
それから30分ほど歩いただろうか。男は、ある古びた建物の前で立ち止まり、くるりと僕の方を向いた。「さあ着いた。ここが俺たちの職場。まあ、ぱっとしないけどさ、職場なんてこんなもんしょ。よしいくぞーなんつって。」
男はよっこらせとガタついたドアを開け、中に入っていった。僕も男の後に続いた。